トレーラーハウスとは 知っておきたい種類や価格、メリット・デメリット

トレーラーハウスという言葉、皆さんも一度は聞いた事があるかと思います。キャンプや旅のようなイメージをお持ちの方もいらっしゃるかも知れません。このコラムでは、トレーラーハウスについて、その言葉の定義、トレーラーハウスの種類や価格、利用する事によるメリットとデメリット、利用方法についてご紹介していきます。

トレーラーハウスとは

トレーラーハウスとは「車両を利用した工作物」として定義される「移動可能な家」という意味合いを持つ車両(「被けん引自動車」)です。トレーラーハウスというのは和製英語であり、発祥の地である米国では「モービルホーム」「モーターホーム」と呼ばれる事が一般的です。どの名称であっても、その名の表すところは「可動性」+「住居」である事が分かります。

トレーラーハウスの一般的な構造としては、「車台」と呼ばれる自動車のシャーシにあたる部分、「上物」と呼ばれる居住空間部分に分かれます。どちらも重要な機能です。トレーラーハウスは、米国の開拓時代に広大なアメリカ大陸を横断する「幌馬車」が起源だと言われています。その後自動車産業の発展に伴って「キャンピングカー」「トレーラーハウス」に分かれていきました。

トレーラーハウスとは①トレーラーハウスとは②

キャンピングカーやコンテナハウスとの違い

ところで、キャンピングカーとトレーラーハウスは、どのように違うのでしょうか?キャンピングカーは、エンジンの付いた自動車であり自走可能です。それに対してトレーラーハウスはエンジンの無い「被けん引自動車」であり、けん引される事で走行可能です。利用方法も違います。キャンピングカーは旅の移動手段としての活用、トレーラーハウスは一定の期間定置して利用する、居住空間としての活用に使われています。

また、似たような用語として「コンテナハウス」があります。これは、海上コンテナを住宅や施設として利用するもので、車台(当社製品CH20)に載っている事でトレーラーハウスと定義されます。一方、基礎工事を行ない土地に定着させる場合、コンテナハウスは建築物に該当します。

トレーラーハウスのメリット

車検付トレーラーハウスは様々な用途で活用されています

トレーラーハウスの種類

トレーラーハウスについてもう少し区分してみましょう。大きさによって、トレーラーハウスは2種類に分類されます。購入に失敗しないためにも、この分類をまずは理解しましょう。

• 車検付トレーラーハウス

保安基準第2条に基づく区分により、全長12,000mm、全幅2,500mm、全高3,800mm を超えないもの。このサイズのものはいわゆる自動車と同じ扱いとなり車検を取る事が出来ます。車検を取得する事でナンバープレートが交付されますので、それを取り付けます。「車検付トレーラーハウス」は自動車扱いになりますので、公道をいつでも自由に走行する事が出来ます。

※車検付トレーラーハウスについては、こちらのコラムをご覧ください「車検付トレーラーハウスとは?」

• 大型トレーラーハウス

上記保安基準を超えたサイズのものは、「大型トレーラーハウス」という扱いになります。車検は取れないためナンバープレートは付きません。いつでも自由に走行する事は出来ず、走行する際には「基準緩和認定書」「特殊車両通行許可証」という下記2つの書類の交付を受けて、それに基づいて公道を走行する事になります。近年では大型トレーラーハウスは認めない代わりに、車検付トレーラーハウスであれば設置を許可する、という自治体も増えてきています。

※当社は、大型トレーラーハウスは取扱っておりません。

どちらのトレーラーハウスを選択するにしても、定められた基準を正しく守って設置しましょう。基準が守られていない場合、違法建築物扱いとなり撤去される恐れもあります。

トレーラーハウスにかかる費用

トレーラーハウスを購入するとして、どういった費用が掛かるのか、いくら位なのか、気になる方も多いと思います。下記に、一般的に発生するであろう費用をお知らせします。

金額

備考

本体価格

300万円〜800万円

種類、サイズによって異なります

運搬費用

約20万円〜

目的地までの距離によって

異なります

設置費用

12万円〜

路面状況、土地勾配によって

異なります

車検費用

5万円

予備車検、本車検の取得費

税金

約10万円

環境性能割、種別割、重量税、

ナンバープレート代、自賠責保険

※車検付トレーラーハウスの場合

トレーラーハウスは住宅ではありませんので、自動車関連の税金が発生します。大型トレーラーハウスの場合には、自動車関連の税金は発生しませんが、移動時に書類交付の手数料が発生するのと移動は夜間運搬となりますので、運搬費用も高額になる傾向があります。

※当社は、大型トレーラーハウスは取扱っておりません。

トレーラーハウスのメリット

トレーラーハウスを選択すると、どのようなメリットがあるでしょうか。下記に記載してみます。

• 自由に移動可能

トレーラーハウスにはタイヤが付いており、一定期間利用した後に簡単に移動出来ます。そのため、短期間での利用方法・再利用が有効に行なえます。

• 建築確認が不要

「車両を利用した工作物」の要件を満たすことで、建築基準法に定義される「建築物」には該当しません。

• 基礎コストが不要

建築物であれば基礎が必要ですが、トレーラーハウスは不要です。基礎に掛かるコストも当然不要です。

• 通常の住宅と同じ設備

インフラを整備していく事で、住宅と同じ設備を整えられます、トイレ、キッチン、お風呂、シャワー、様々な楽しみが出来上がります。

トレーラーハウスのデメリット

一方でトレーラーハウスは万能ではありません。デメリットも見ていきます。

• 初期コストが比較的高価

プレハブ・ユニットハウスなどの仮設建築物と比べると、トレーラーハウスは比較的高価です。移動させる予定が無いのなら、仮設建築物を選択する事が低コストに繋がります。

• 設置出来る土地条件に制約がある

道路を走行して進入出来ない場所(高台や擁壁、階段で進入する土地)、急勾配の土地には設置出来ません。また、トレーラーハウスの重量に耐えられない、柔らかい地面にも設置は出来ません。

トレーラーハウスの活用例

トレーラーハウスは、実際にどのように使われているのでしょう?具体的な活用例を見ていきましょう。

住居

トレーラーハウスと言えば、この使い方をイメージする方も多いと思います。実際には住民票を取得するのが困難な事から、別荘や母家に対する離れとして利用されるケースが一般的です。

※当社は、住居用トレーラーハウスは取扱っておりません。

関連記事:コラム「トレーラーハウスに住むには?かかる費用やライフライン接続、注意点について解説」

オフィス

企業のオフィスとして、トレーラーハウスは多く利用されています。トイレやキッチンを付ける事で、オフィスが更に快適になります。市街化調整区域での運送認可事務所を開設できる事も、トレーラーハウスの大きな魅力です。

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店舗

飲食店、物販、美容室、ネイルサロン、観光地のアンテナショップなど、店舗として幅広く使われています。一定期間利用し、出店のためのテストマーケティングにも活用出来ます。

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コラム「トレーラーハウスを利用した飲食店舗」

公共施設

トイレ、喫煙所といった公共施設にも使われています。河川敷で災害時に撤去する必要がある場所でも、トレーラーハウスは活躍しています。

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医療機関/介護施設

発熱外来をトレーラーハウスで設置する事で、一般病棟と隔離した環境が作れます。感染症対策として利用が急速に拡大しています。

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宿泊施設/サウナ施設

ホテルとしても活用が広がっています。トイレやシャワーを室内に設け、ビジネスホテルからリゾート地でのグランピングまで幅広く使われています。サウナブームもあり、サウナ室の設置も増えています。

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コンテナ利用

20ft海上コンテナを利用したコンテナハウスを実現するために、コンテナ積載専用シャーシ(車台)の活用が広まっています。積載する事で「車検付トレーラーハウス」として認められ、建築確認申請が不要など様々なメリットが生まれます。

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専用シャーシ

既に載せたいものが決まっているお客様のために、ご要望を取り入れたお客様専用シャーシを製作いたします。

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災害時の活用

普段は施設として使い、非常時には災害地へ輸送して被災者支援に役立てる使い方も広がっています。移動可能なトレーラーハウスならではの活用です。今後、地方自治体を中心にこうした取組みが増えていく事でしょう。

関連記事:コラム「災害時における、トレーラーハウスの活用について」

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トレーラーハウスの活用例

移動型の公共施設を備えておけば、災害時の被災者支援に役立ちます。

まとめ

以上、トレーラーハウスの定義、メリットやデメリット、価格や税金についてお話ししました。トレーラーハウスは便利なものですが、正しい方法で設置しないと違法建築物として撤去されるリスクがあります。

設置する地域の解釈にも左右されますので、購入した後に「こんなはずではなかった」と後悔しないよう、市役所や役場、日本トレーラーハウス協会などへ相談した上で、しっかりと事前知識を得たいですね。購入時のトラブルを避けるためにも、商品は信頼出来る会社から購入される事をお勧めします。

原案/執筆:齋藤
校正:藤澤

車検付トレーラーハウスの商品紹介

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